れいん

「あめの日は、嫌いじゃないよ」
あの子はいつもそう言った
何で?って聞いてすぐ後悔した

白い部屋に行くたびにその子は
ありがとうって言って
また来てねって言う
ばいばいは言わずに
おやすみって言う
また行こうって、行かなくちゃって
思う何かが部屋にはあった
帰り道は傘をさすか迷うぐらいの雨
傘を借りたら
返しに来なくちゃいけないから
あの子が気づかないように
ブラインドをしめて、濡れて帰った


あの人がいなくなった日も
雨が降ってて、聴いてた曲は分別奮闘記
夜中にいきなり起こされて
理由もなく大丈夫だよって
お母さんを慰めた

あの子とは違う白い部屋への
道路はそりゃあ夜中だから空いていて
そのくせ長くて 嫌だった
あの人がいなくなったのは
雨の降った夜だった


一緒に帰れる日は雨の日だった
とてもとても幸せだった
変わらないようにってお願いした
引きずってもなくならない気持ちも
あるってことが分かった

帰れる日は雨の日だけじゃなくなった
なのに離れていった
今は幸せなんでしょう
さよならも良かったのでしょう
怖いと思ったのも事実
好きだったのも事実

お幸せに


また好きな人ができて
整理のつかないまま
色んな好きな所ばっかり増えた
どう思ってるかなんかわからない

一緒にいたいと思ってる?
好きだって思ってる?
めんどくさいと思ってる?
雨の日に好きになったのは覚えてる

色んなことを思い出す雨の日
どうかみんな変わらないで
どうか誰もいなくならないで

いっそ泣きたい
心が前に進まない



雨の日を、どうお過ごしですか